今回のISPOレポートでは特定の製品ではなく、ここ数年のISPOのトレンドを通じて感じた大きな変化をご紹介します。
それは、中国ブランドの急成長と台頭です。
中国ブランドの存在感が高まる
世界最大級のアウトドア・スポーツ展示会であるISPO。
近年、中国ブランドが展示会やISPOアワードの受賞部門で目立つようになっています。
特に注目されるブランドとしては、BOSIDENG や ANTA が挙げられます。
これらの中国ブランドは、ISPOアワードの約10%を占めるまでに存在感を示しており、他のブランドに引けを取らないレベルで注目されているんです。
環境配慮型素材を活用した製品
各中国ブランドが出展する製品には、環境に配慮した素材が多く取り入れられています。
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有機溶剤を使用しない多孔のPUフィルム を使用した透湿防水素材
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植物由来の透湿防水フィルム を採用したウェア
こうした技術は従来の素材と比較して、持続可能性の向上を目指しており、アウトドア業界全体の環境配慮型素材への転換が見られます。
欧米ブランドより価格競争力が高い理由
興味深い点はこれらの製品が欧米ブランドと比べて、価格が安い傾向にあることです。
個人的には大規模な資本を持つ企業が、大量生産のスケールメリットを活かして価格を抑え、コストパフォーマンスに優れた製品を提供しているのではないかと考えています。
中国企業とISPOの強いつながり
ISPOはミュンヘンだけでなく上海でも展示会を開催しており、中国企業との結びつきが非常に強いことが伺えます。
このことが中国ブランドの台頭をさらに後押ししていると言えるでしょう。
世界市場での中国ブランドの未来
中国ブランドの成長は、ISPOの展示会を通じて明確に感じられます。
これまで欧米ブランドが主流だった市場で、新たな競争が起こっています。
環境配慮型素材の採用や価格競争力の高さを武器に、中国ブランドはグローバル市場での存在感をさらに強めていくでしょう。
今後日本のアウトドア市場でも中国ブランドの製品を見る機会が増えてくるかもしれません。